UNITY Authentic Racing 2006-2007
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月刊スキーコンプ Vol.286 page26-29
月刊スキーコンプ 2003.11月号 Jr.RACERS BASIC PRACTICE
「ユニティスキーレーシングが提案するタイムアップのための基礎」第1回
日本のアルペンシーンの将来を担う中学生、高校生のジュニアレーサーたち。そんなジュニアレーサーたちに、これまで数々のレーシングシーンを作り上げてきたユニティスキーレーシングが、効率の良いトレーニングプランを提案する。


構成 / ユニティスキーレーシング(USR)

文 / 上林卓司(USRディレクター)、金田俊範(USRトレーナー)
モデル / 栗山太樹
写真 / 株式会社スキーコンプ編集部


■プロフィール
金田俊範(かねだ・としのり)
1976年8月5日生まれ。宮城県出身。東北福祉大学競技スキー部出身。大学卒業、後整体の専門学校に進学する。卒業後は、一般の方からプロゴルファーまでの体のコンディショニングや運動指導などのアドバイスをしている。冬場はユニティレーシングスタッフとしてスキー指導はもちろん、運動方法などのアドバイスも行っている。ユニティスキーレーシングトレーナー・kimスポーツコンディショニング代表(宮城県仙台市泉区上谷刈字長左衛門下11-1サトウビル202号/022-773-2165)


タイムアップのための基礎
はじめに
現在も著しく技術革新を続けるレースカービングスキーは、多くのアルペンレーサーのレベルアップに貢献しています。このマテリアルの進歩に伴い、スキーのサイズは短く、サイドカーブはきつく絞られるようになり、操作性と雪面のグリップ力は、格段にあがっています。この影響でジュニアレーサーの技術レベルも驚異的なスピードで向上し、その滑走スピードも非常に高くなってきています。滑走スピードが上がっているということは、ターン中の遠心力が大きくなり、身体にかかる負荷も大きくなっているということです。ジュニアレーサーのように、成長度合いもバラバラで、筋力も十分ではない選手達がこの負荷に耐えながら滑走する為には、正しい姿勢や体の使い方が非常に重要なポイントになってくるのです。

スキーだけに限らず、全ての運動において正しい姿勢や体の使い方は、運動パフォーマンスを向上させることはもちろん、故障やけがの予防にもつながります。速く滑るための技術を体得することは非常に重要なことですが、ジュニア期は技術ばかりにとらわれず、運動パフォーマンスを向上させることに目を向けてあらゆる条件での対応能力を身体で覚え、それをベースに様々な技術を身につけていくことで、世界のトップレーサーに近づくための道が開けるのです。

レースカービングスキーを自在に効率よく操るためには、前後左右に動きやすいポジションが必要になってきています。これは、骨盤を前傾させ腹筋の下部に力が入る姿勢がベースになります。もちろん個々の体型や骨格・柔軟性によって、個人差はありますが、正しい姿勢をベースに個々の体型や骨格を活かした滑りをつくりあげていくことが今後のレベルアップに繋がるのです。

今月から4回に渡り、ユニティスキーレーシング(USR)がジュニアキャンプで行っているトレーニング内容を紹介しながら、レースカービングスキーの性能を最大限に発揮し、よりシンプルで質の高い運動がおこなえるようアドバイスしていきます。まず今月は、バランスボールを使用したトレーニングや股関節のストレッチなどで、正しい姿勢や体の使い方を体得できるようなトレーニングを紹介していきます。


体の動かし方を覚えよう
現在のスキー技術は、どうやってスキーを操作するか? というよりもどういうふうに体を使ってスキーを操作するかがポイントになってきています。皆さんはスキーの技術を考える時に、膝・腰・肩・腕をひとつの動きで考えていませんか?スキーに限らずスポーツ動作は一連の動作で動いているのです。スキーの動作で例えを挙げると、膝だけを内側に入れようとすると、X脚になりやすく、膝の内側を痛めやすくなります。腰だけを内側に入れようとすると、「腰が開く」状態になりやすいのです。なおかつ体軸が内側に傾いているため、内足に乗りやすくなり転倒の確率が高くなります。この2つで悩んでいる選手はたくさんいるのではないでしょうか?
ではスキー動作を一連の動きで考えてみましょう。

まず最初にスキーを行う為のポジショニングです。
体軸の中心である骨盤を前傾させます。前傾させることによって腹筋群に力が入りやすくなりボディバランスが保てるようになります。次に動作です。体の動かし方には2つのポイントがあります。
第1のポイントは「動作は身体のある部分だけでなく、全身の連動した動きとして行われる」ということ。イメージとして、ストックを持たないと感覚が変わるはずです。これは下半身だけでなく、上半身もしっかりと連動して動いているということになります。
第2のポイントはスポーツ運動において脚や腕は「体軸に対して斜め方向に動かし、さらに捻れ動作が入る」パターンが多いということ。この運動パターンは歩行をイメージしてみてください。手と足は必ず対角線上に動くはずです。ではひとつのターン時にどういう連鎖運動が行われてるか解析してみましょう。
1. 脚部を使った体重移動(雪面からの解放時)
2. 腰(股関節)の回転(体軸の捩れ)
3. 体幹部や肩(上肢)を使ったフォールラインの移行
4. 足関節からの雪面のとらえ(角付け・下肢の捩れ)
5. 膝・腰(股関節)を中心に体軸を斜めに倒す(らせん運動)
6. エッジング動作

という一連の動作になります。この動きの中で、弱いところや硬いところがあるとスムーズなスキー操作は難しくなります。下肢と体幹部、上肢と体幹部のつながりは重要ポイントになり、運動パフォーマンス向上させるためにも連鎖運動を中心とした動きをトレーニングに取り入れたほうがレベルアップにつながります。
今回はこの2つのポイントを基に、スポーツトレーナーの金田俊範氏が運動パフォーマンスの向上を目指すためのストレッチやエクササイズを紹介してもらいます。
(ユニティスキーレーシング上林卓司)


 動的ストレッチのススメ
ストレッチと一言で言っても、実はひとつの筋肉を静的に伸ばすストレッチと、色々な筋肉を一緒に動かすストレッチでは、効果が違ってきます。前者を「静的ストレッチ」、後者を「動的ストレッチ」と呼んでいますが、アルペンスキーの場合、常に筋肉の連動した動きが要求されることになり、できれば「動的ストレッチ」を実践してもらいたいものです。
動的ストレッチの場合、動きも大きくなりますので、ウォーミングアップとしての意味も大きく、特にジュニアレーサーには、様々な筋肉を同時に動かすことを覚える意味でも、動的なストレッチをお勧めします。今回は、体幹部分と股関節のストレッチを紹介します。



 体幹部分のストレッチ
1 背中とももの後ろを伸ばす
おしりをついて座り、つま先を両手でつみます。次に腹筋に力を入れて、ももとお腹をくっつけるようにします。そのままももとお腹を離さないようにしながら、ゆっくりと足を伸ばします。
足は伸ばしきらなくても構いませんので、きついところに来たら10秒止まります。次に、やはりももとお腹を離さないように、かかとを引き寄せます。できない場合は、片足ずつ行なって下さい。足を伸ばすときに、腹筋に力を入れると可動域が広がるのがわかります。3回くらい繰り返して下さい。

つま先を内側にして伸ばす
つま先を外側にして伸ばす
2 片足ずつヒザを伸ばす
1と同様ですが、今度は片足ずつ行ないます。つま先を内側へ入れた状態で伸ばすのと、つま先を外側に向けた状態で伸ばすのでは、ストレッチされる筋肉や関節の部位が変わってきます。

3 体幹背面(もも、お腹、腕)を伸ばす
仰向けに寝て、片足を上げヒザを逆の手でつかみます。腰をねじりながら、上げた足を内側に倒していきます。この時に、顔はねじる方向と逆に向けておいてください。ねじる方向と同じ方向に顔を向けていると、負荷が大きくなりすぎて、腰にダメージを受ける場合があります。また、腰が痛いときや故障しているときは、このストレッチは行なわないで下さい。
ヒザをつかんでいない方の腕のひじの位置で、伸びる範囲が変わります。ヒザを伸ばしてつま先を下げた状態で10秒止まり、逆も行ないます。

4 体幹前面(もも、お腹、腕)を伸ばす
うつぶせに寝て、片足を上げます。腰をねじりながら、上げた足を内側に倒していきます。この時に、顔はねじる方向と逆に向けておいてください。ねじる方向と同じ方向に顔を向けていると、負荷が大きくなりすぎて、腰にダメージを受ける場合があります。また、腰が痛いときや故障しているときは、このストレッチは行なわないで下さい。ひねった状態で10秒止まり、逆も行ないます。



 股関節のストレッチ
1 ももの内側を伸ばす
おしりをついて座った状態で、足首を引き寄せます。この時に、かかとが体にくっつくまでは引き寄せないで下さい。また、つま先は必ず開くようにして下さい。スキーの運動では、足首の関節が緩むことはないので、ここでもしっかりと足首は曲げておきます。そのまま上体を倒していきます。倒れた状態で10秒我慢して下さい。この姿勢が作れない人は、座布団などをおしりの下に敷くと良いでしょう。

2 腰の前とももを伸ばす
片方のヒザを立ててもう一方の足のヒザをつきます。立てたヒザに両手を乗せて、腰の前の筋肉を伸ばします。次に手で足をつかみ引きつけももを伸ばします。最後に手を使わずにかかとを引き寄せます。それぞれ10秒ずつ止まって下さい。

3 腰からおしりの筋肉を伸ばす
片方の足を後ろに伸ばし、一方の足を内側に曲げます。その曲げた足と同じ方向に体をかぶせていきます。かぶせた状態で10秒止め、逆も行ないます。

4 おしり側のハムを伸ばす
仰向けに寝て、片方の足を曲げて組みます。組んでいない方の足を手でつかみ、腹筋を使って丸くなります。おしり側のハムストリングが伸びます。丸くなって10秒止め、逆も行ないます。

5 ヒザ側のハムを伸ばす
仰向けに寝て、片方の足を手で持ち上げます。そのまま、ヒザをゆっくりと伸ばしていきます。コツはももの筋肉を使って動かすことです。その後は何度もゆっくり曲げ伸ばしします。逆の足も行ないます。

6 股関節を動かす
足を開いた状態で座ります。お尻をついた状態で、両足がM字状になるようにします。ヒザをひねって内側に入れます。両足を行ないます。
 



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