UNITY Authentic Racing 2006-2007
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月刊スキーコンプ Vol.300 page24-25
月刊スキーコンプ 2005.1月号 ジュニアレーサーに贈る「効率の良いトレーニングマニュアル」
第4回・シーズンインのボディアライメントチェック
世界を目指して日々努力しているジュニアレーサーたち。特に中学生や高校生になれば、それぞれ全国レベルの大会も行われるようになり、その競争はより激しくなってくる。そこから世界へと道を広げるには、是非とも効率の良いトレーニングを行ないたいものだ。そこで、ここではジュニアレーサーの育成で実績を残してきたユニティスキーレーシングが、効率の良いトレーニングの方法を紹介する。

構成 / ユニティスキーレーシング(USR)
文 / 上林卓司(USRディレクター・T.C.S.)、金田俊範(USRトレーナー)
写真 / 株式会社スキーコンプ編集部


■プロフィール

金田俊範(かねだとしのり)
76年8月5日生まれ。宮城県出身。東北福祉大学スキー部出身。卒業後は整体の専門学校へ。その後、プロアスリートや一般の方に体のコンディショニングや運動方法などの指導を行なう。現在はサロモンチームのトレーナーも務めており、04シーズンは技術選で柏木義之選手などサロモンチームの選手の活躍を支えた。ユニティスキーレーシングトレーナー


筋肉や関節を意識しながらポジションを作る

本誌10月・11月号の連載で、陸上でのトレーニング方法を紹介させていただき、このオフシーズンに選手のみなさんは柔軟性や筋力向上を目指してトレーニングに励まれたと思います。今回はそのトレーニングにより向上した筋力・柔軟性を、いかに雪上でのスキー動作に結びつけるかをポイントにおき、さらにUSRでおこなっているボディアライメントキャンプの重要性を説明したいと思います。
骨盤の前傾角を作ることが重要
まず始めに11月号でも説明していますが、体を動かすときには一つの筋肉が動くという事はなく、脳から送られた指令でいろいろな筋肉が連動して動いています。特にスポーツ動作の連鎖運動の中心は体幹部にあり、「体幹を中心とした上肢下肢の力の伝達」が必要になります。その為には体幹を使いやすくするための軸が必要になり、その軸を作るために必要なのが骨盤の前傾姿勢になります。骨盤を高い位置で前傾させることにより、前後左右の動作にすばやく対応ができ、なおかつ腹筋群・大腿部の力が入りやすくなりボディバランスが保てるようになります。

トップ選手の滑りを参考に見てみると、常に骨盤の前傾姿勢は保たれています。さらにターン時に体幹を中心として下肢と上肢が対角線上に直線に結ばれており、この対角線の軸こそがスキーの反動を伝える為の大切なポジショニングになってきます。

その為にも体幹部を意識しながらの筋力トレーニングや柔軟性が必要になり、雪上のトレーニングにおいても体幹部を意識しながらの基本トレーニングをおこなう必要があります。ただ「骨盤を前傾しなさい」や「ポジションが後ろだ」などと説明を受けても、選手自身はどこをどういう風に意識すれば良いのか分からないはずです。その部分をUSRで開催しているボディアライメントキャンプでは考えるよりも、まず始めにバランスボールやバランスディスクを使いながらスキー動作で大切な筋肉に意識を持たせる基本トレーニングやポールトレーニングをおこない、選手に「筋肉を意識させながらスキー動作をおこなう」事をテーマに技術レベルの向上を目指しています。


では実際に体の意識の重要性を説明したいと思います。
1 上半身について上半身の使い方で特に問題が多いのは、肩に常に力が入っている選手が多い事です。原因の一つとしてはストックを握るグリップの持ち方にあると思います。また、肩甲骨周りの筋肉の柔軟性が低下すると、背中の痛みや腰痛の原因にもつながります、これは肩甲骨が背中の筋肉と連携をしているので、そのような状況になってしまうことが多いのです。スキー選手の多くは肩周りのストレッチの重要性を認識している方が少ないように思いますが、朝のストレッチやウォーミングアップ時によく肩甲骨周りを意識しながらストレッチをおこなうことで、自然に肩の力が抜けてくるのが実感できるはずです。スキー動作の時には上半身は常にリラックス状態であることを意識する必要があるのです。
滑りながらしっかり自分のポジションをチェック!
2 股関節について股関節をうまく使えるようになるため
には、骨盤の前傾姿勢が重要になってきます。その為にはお尻や骨盤の前の筋肉である腸腰筋群のストレッチをしっかりと行い、可動域をつけることが大切です。バランスボールなどを使い、雪上に行く前に腰回りの柔軟運動をおこなうと股関節の動きが良くなります。トップ選手も雪上に行く前にバランスボールを使ったウォーミングアップをおこない、股関節周りの可動域を広げるよう心がけています。特に後傾姿勢の選手や上体がかぶってしまう選手は、股関節周りのストレッチをおこなうことで股関節周りの可動域が増し、良いポジションがとりやすくなります。

3 大腿部について
大腿部はスキー動作をおこなう上で一番筋肉の疲労を感じる部分です。特に後ろの筋肉(ハムストリング)・大腿部の横の部分は良くハリを感じる選手が多いと思います。この部分に疲労が溜まってくると股関節の動きも悪くなり、さらに腰痛の原因のひとつにもなりますので、しっかりとしたストレッチが必要です。大腿部前面は膝関節と直結していますので、膝関節がよく痛む選手は大腿部前面をストレッチしてあげると痛みも和らいできます。スタート前などは腿の前をたたくより、腿の後ろを刺激してあげると筋肉出力が出やすくなるのでぜひおこなってみてください。

以上の説明のように筋肉を意識して動き、関節の可動域を広げることによりスキー動作がおこないやすくなり、技術の向上にもつながります。シーズンに入り本数を滑る事も大切ですが、スタートをする前に股関節周りのストレッチを行い股関節の動きを良くしてあげてスタートすることや、体を動かして筋肉に刺激を加えながらトレーニングをした方がより質の高いトレーニングになるはずです。現在のアルペンスキーは操作性と雪面のグリップ力は格段に上がっており、滑走スピードも非常に高くなってきていますが、このマテリアル性能に対応した運動をおこなえる姿勢やポジショニングそして体の使い方が必要になってきます。

これからシーズンに入り雪上トレーニングが中心になってきますが、正しいポジショニングをとる為に、朝のウォーミングアップやクールダウンのストレッチを漠然とおこなうわけではなく、どうスキー動作につなげるかを意識しながら体を動かしてみましょう。そうすることで、より効率よくスキー技術を向上させることが可能になり、けがの予防にもつながるはずです。



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